北東イングランド見聞録 A to Z J③;Job-changing

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転職の写真には見えませんが―

【転職・復職】

・英国も転職は普通なのですが、出向先企業では『出戻り』社員が多くいました。

一旦その会社から他の会社に転職し、暫くして戻って来るのです。

最近では、日本の会社でも増えてきた様ですが、一昔前の日本の会社ではあり得ない行動でした。年金制度の違いや、「高齢者差別違憲判決」の影響もあるのでしょうが、採用に関しては『兎に角即戦力』が最優先していた結果なのでしょう。

【採用方法】

・日本で言うと「中途採用」になりますが、大きな相違点としては、タスクを厳密に規定していることです。

従って、入社後に追加の業務を課した場合は、『追加料金』を支払います。一見生産性の低下要因の様ですが、不必要な仕事をむやみに与えないという意味では、日本も取り入れるべき考え方だと感じました。

【試用期間】

・給料や休暇、業務内容などを確認した上で、入社となりますが、最初の3か月間は試用期間となります。

日本でも、派遣社員契約社員を雇用する際に、同じ様な条件を採用する事は有りますが、私の経験ですと試用期間後に「クビ」というのは極めてレアケースです。

 一方、英国の場合は、入社時点で自己過大PRが普通なので、3か月の間に段々とメッキが剥げてきます。そして、3か月目の最終週のある日から突然出社してこなくなる。というのは、複数回経験しました。これも、ある意味スマートなやり方だと感じました。

【退職時の引き継ぎはしません】

・これは、英国の全ての会社に共通するのかは分かりませんが、出向先の会社には『マニュアル』がありませんでした。

作製させようとしても、なかなか従いませんでしたが、その内納得しました。

何故ならば、彼らのスキルとキャリアの関係は、以下の様になっているからです。

『スキルゼロで就職』⇒『業務に習熟し、スキルアップ』⇒『スキルを公開せず、自分の市場価値向上に活用』⇒『賃上げ要求』⇒NGの場合⇒『スキルアップをアピールして、リクルート活動』⇒『再就職達成』

当たり前ですが、契約書で釘をさしてお金蹴れば、転職前にマニュアルを公開したり、後任者に引き継ぎをする義理は有りません。

日本の海外子会社は、以前の出向会社もそうでしたが、安くてキャリアが未熟な労働者を雇用し、彼らにスキルを付けた挙句、高値で転職されてしまう。その結果、会社自体のレベルは一向に向上しないというスパイラルが続いていました。

元の勤務先の会社の場合、私に限らず海外出向経験者が帰国後、海外子会社管理部署に赴任することが無く、こうした『気づき』が活かされていないことも、「負のスパイラル」の一因だと考えています