北東イングランドでの気付きA to Z V;Vinyl

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レコード屋

【レコード!!】

ビニールではありません! レコードです。

漸く日本でも追い風が吹き始めていますが、英国人の男たちはしぶとくレコード収集を続けています。

私は中学からポップス・ロックを聴き始め、大学卒業時には300枚程度になりました。

その後、就職してからはこの趣味から遠ざかりました。月日が経ち、CDに時代がやってきました。私は、300枚のレコード全てを売却し、今度はCDの収集を開始。

レーザーディスクやベータテープのダビングなどと並行しながら、約300枚のCDを取集しました。

そして、英国に赴任して驚きました。小さな街のマーケットに中古レコード屋が2軒もあります。しかも、値段は日本に比べるとバカ安(に感じました)!

おまけに、レコード屋の強面の主人は、2・3回目には「まあまあ、コーヒーでも飲んでよ。特別に新しく入荷したレコードをみせるからー」とお友達モード。

結局、私はそのマーケットタウン(チェスターリーです)に住みつき、毎週中古レコード屋で「大人買い(別名、爆買い)」。出向手当もつぎ込んでー買い始めてから2年間で、1000枚を超えてしまいました。勿論、会社経費で全て持ち帰りました。

【ブローカーではありませんがー】

ちなみに、今を去ること30年前、私は某カーメーカーに勤務していましたが、販売店に出向になり、自動車セールスマンを2年間やりました。新車販売時には時として、下取の中古車がある訳ですが、中古車の相場の価格情報が必須です。

そんな時には、「赤本」がありました。一寸小ぶりで赤い本なのですが、各メーカーのモデル・年次別に基準評価が記載されており、それを基に査定をしていました。

英国にも、レコードの赤本があります。アーティスト別・LPのタイトル別に基準価格が記載されていますが、大型レコード・CD店で買えます。

私も当然の様にこれを購入し、頭に叩き込んだ上で、レコードを集めた訳です。

また、英国には中古ロックレコードの月間誌も存在します。よく毎月ネタが続くものですが、当然、高額レコードの記事も多く、最も高額のモノは、150万円位していました。投資目的の人が、インタネットオークションで活発な取引をしていました。

【日本版が大人気の理由】

常識的な価格帯のレコードでの一番人気は、日本製の帯付きレコードです。「オビ、obi」は既に英語になっています(そこまで一般的では無いかもしれませんが)。

やはり60年代末~80年代の日本製は品質が良いのと、圧倒的に程度が良いのです。

当時の日本でのレコードの価格が異常に高価だったせいもあるのでしょうが、兎に角丁寧に扱っていたことが感じられます。

これに対して、英国のレコードは、ジャケットへの落書きや、自分の署名は当たり前。レコード自体も「聞き倒した」感満載という状況で、傷は普通に多いというレコードが多く、日本製との違いが明確で、それが彼我の中古レコードの販売価格に反映されていました。

【レコードよ有難う】

英国出向当初の1年間は苦しい日々でしたが、兎に角金曜日まで頑張れば、週末のレコード爆買いが出来る! おかげで何とか乗り切れました。また、古いロックのレコードやアーティストの話は、現地社員よりも詳しいので、仕事の上でのコミュニケーション作りにおいても非常に役に立ちました。

帰国してからも勿論レコード道を月進んでいますが、やはりスペースの関係で、CDはほぼ売却の上、レコードも最大1200枚から現在は900枚程度に落ち着きました。

現地の中古レコード屋とはなかなかやり取りできませんが、年1回の買い入れは今後も続け、何時かは英国レコード買い出し旅行に行きたいと夢見ています。