北東イングランド見聞録 A to Z E③;Earthquake

f:id:chester-le:20191230150300j:plain

当時の新聞記事

【3.11が起きて】

・赴任から半年足らずで、東北大震災が起きました。

第一報は、『日本の東北で大きな地震が発生。何百人もの死者が出た。』というものでした。マグニチュードの大きさも紹介されていましたので、巨大地震の割には、死者が少ないのが不幸中の幸いかもしれないと思いました。

その後、BBCニュースチャンネル津波の映像が流れ、死者数の桁が違うという事が徐々にわかってきました。しかしながら、新しい映像や詳しいニュースはなかなか流されず、BBCニュースチャンネルはずっと津波の映像を流し続けていました。

そうこうしていると、今度は「原発が大変なことになっており、『メルトダウン』が起きた様だ」とのニュースが流れました。

私たちの世代は、米国の『スリーマイル原発事故』や、それを題材にした『チャイナシンドローム』を知っており、当時は「核燃料のメルトダウンが発生した場合は、どんどん地下を突き抜け、地球の反対側にまで到達する」と言われていました。

この時に、日本への渡航の取りやめや日本から帰国する人が続出した様ですが、無理もない気がしました。日本からの情報が非常に少なく、何が起きているのかが良く分からない状況でした。

地震が無い国】

・英国には地震がありません。地面は動かないという前提で成り立っています。

例えば、羊牧場を石の塀で囲ってありますが、これは単に石を積み上げているだけです。石の重さが塀の中心に向かう様にしており、それでバランスを取っているそうです。むろん、地震によって強く振動した場合は崩れてしまうでしょう。

また、ヨーク等の旧い街並みを見ると、大昔から使われている窓のガラスが、レンズ状にふくれていることがあります。火事や地震が無いので、ガラス窓がずーっと同じ場所に嵌められているのです。

私の出向先の英国人社員が日本に出張に行った際、震度3の地震を経験し、大騒ぎしたという話も伝承されていました。

地震をどう伝えるか】

・英国の様な国から見ると、『日本イコール地震が多くて怖い国』と考える人がいてもおかしくはありません。

ただ、3.11発生時の状況を考えると、何が起きてどう対処しているのかという事を伝えないと、不安は倍増すると感じます。

勿論、それによって風評被害を起こしてしまうリスクはありますが、「わからない」というのが、一番不安を煽った感じがしました。